和名
 学名 
 科名 
 属名
 英名
 原産地
 開花期
 性状


ニオイバンマツリ
Brunfelsia australis
ナス科
ブルンフェルシア属
yesterday-today-and-tomorrow
ブラジル南部・アルゼンチン原産
春〜初夏
半耐寒性低木

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ニオイバンマツリ
ナス科の植物で、中央・南アメリカおよび西インド諸島に約40種分布する、ブルンフェルシア属の1種で、開花して数日たつと花色が紫から白に変わるので、1本の木に紫と白の花が咲いているように見えます。花には芳香がありますが、本種とよく混同される「Brunfelsia latifolia」は花も小さく芳香もありません。
当園で栽培している品種はこの種類の他にアメリカバンマツリと呼ばれる黄花種ですが、こちらは耐寒性や開花生理などを調べるため、まだ試験栽培中です。

学名:Brunfelsia americana
アメリカバンマツリ
西インド諸島原産
本属中最も大きな花を咲かせる。
花には芳香があり、白から淡い黄色に変わる。
ニオイバンマツリと比較すると葉がやや大きく、樹形は枝が細く伸びた状態になる。
ニオイバンマツリよりやや耐寒性が低いのではないかと思われる。

* ここでご紹介する品種名につきましては、いくつかの図鑑や園芸雑誌等から照合し引用したものです。これらの名称を参考にしたり、引用する事について当園は 一切の制約はいたしておりませんが、(登録品種を除く)引用にあたっては全て個人の責任においてご使用ください。ついては、それによってなんらかの不利益等が発生した場合も当園は一切の責任をお受けいたしませんのでご了承ください。 尚、新しい品種の情報やご指摘がある方はmailにてお受けいたしております。

置き場所
半耐寒性と言っても、軽い雪や霜ぐらいなら落葉する時もありますが、地植えして1)マルチングした株や、鉢植えをそのまま屋外で冬越しができます。当園での耐寒試験では、外で冬越しできる目安は2年生株の場合、栽培している所の最低気温の記録で-5℃位まで大丈夫でした。
また、静岡県下田市の国指定史跡「了仙寺」はニオイバンマツリが境内いたるところに植えられ、花の名所として有名です。この事からも比較的暖かな地方では庭植えが十分可能な植物と思われます。
<
春〜初夏>
日光を好みますので、屋外の日当たりの良い場所で。
<盛夏>
水切れをした状態での真夏の直射日光は、葉が焼ける事がありますので注意して下さい。半日陰か午前中のみ日が当たる様な場所に置く方が無難です。
<秋〜冬>
再び日光によく当て春に花を咲かせるための枝をしっかりと充実させてください。屋外で冬越しさせる場合は、徐々に水を与える回数を少なくして真冬の寒さに耐える締まった株づくりを。
<厳寒期>
霜や雪にあたると葉が少し茶色や黄色になり落葉し始めますが、数日で溶けてしまう地方なら屋外で管理できます。暖かい地方はそのまま葉を落とさず越冬します。室内で冬越しする場合は落葉した時が室内に入れるタイミングです。部屋の中では何日も凍りつく程にならなければ特に防寒する必要はありません。かえって暖かい所へ置き過ぎると早くに花芽が動き出し、芽のそろいが悪かったり、寒さで芽を傷めてしまう場合があります。

 
2003年12月初雪でこんなに雪をかぶってしまい心配しましたが、雪解け後ビニールハウス内に取り込み、全て無事に新芽を出しました。   雪や霜にあたると葉はこの様な色になります。その後寒さが厳しいと葉が落ちる事がありますが、春にはいっせいに新芽を出します。

1)マルチング=地表を「敷きワラ」や「バークチップ」「腐葉土」などで覆い地表の温度や乾燥の急激な変化を和らげる役目をするもの。

Point
ニオイバンマツリの枝の生育はやや遅い方で、春から秋までに伸びて充実した枝に翌年花芽を付けます。その事を考慮して沢山の花を咲かせるには、あまり遅くの剪定や太い枝を元の方から切り詰める強剪定は避けたほうが良いでしょう。理想は花が少なくなってきたら、夏までに込み合っている枝を整理して樹形を整える程度に留めておきます。
夏〜秋の間もポツリポツリと咲きますが、寒さにあたってから翌春の芽吹きの時が一番見事で、この時に花をそろえて沢山咲かせるコツがあります。
イ)冬に寒さに遭わせてから室内に取り込み、色の変わってしまった全ての葉を手で落としてしまって下さい。屋外で冬越ししている場合は、寒さが直接株に当たって凍らない為にも無理に落とさず暖かくなる直前に落とした方が良いでしょう。
ロ)その後暖かくなるとすぐに芽を吹き始めます。枝が長く伸びている場合はこの様にアンドン仕立てにするか、枝を斜めに寝かせるように仕立てると、枝の先端だけでなく横からもそろって芽を吹くようになります。これは植物全般に応用が利く植物の生理を利用した方法で、つるバラなどでも良く知られています。
ハ)吹いた芽の殆どに花芽が来ています。
イ)葉を取ってしまった所 ロ)芽が吹き始めた所 ハ)吹いた芽の殆どに花が
肥料
春から夏に、液体肥料なら7〜10日間に1回程度、固形の緩効性化成肥料なら20日〜1ヶ月に1回位。いずれも通常の鉢花に与える表示濃度や量を与えます。肥料の効き具合にもよりますが、特に肥料切れを起こしている状態でなければ秋からの肥料は少なめにして、新しい枝を出させる事よりも、伸びている枝を堅く充実させる様にした方が花も多く、冬の寒さにも強くなります。

水やり
鉢土が乾いたらたっぷりと与えます。花が咲いている時は花にかからない様にした方が長く鑑賞出来ます。受け皿には水をためず、冬は土の表面が乾いてから2・3日してからの方が良いでしょう。

植え替え・せん定
植替えは初春から夏にひとまわり大きい鉢に植え替えます。市販の培養土でも結構ですが、赤土や腐葉土をベースに堆肥など有機質を含んだ土が理想的です。


繁殖

春から秋までに挿し木が可能ですが、活着率はあまり良い方ではありません。充実した枝に葉を数枚つけて5cm前後に切り挿します。発根には2ヶ月位を要しますので、逆算して寒くなる前までには鉢上げできる様にしましょう。

病害虫
病気の心配は特にありませんが、ダニ・カイガラムシ・アブラムシなどによる虫害とそれによる病気の媒介に注意して下さい。

 
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