スクテラリア コスタリカナ スクタリーナ シリーズ
学名:Scutellaria costaricana
科名:シソ科
属名:スクテラリア属
性状:常緑亜低木
原産地:コスタリカ

スクテラリアの育て方。携帯サイトはこちらから





女王の木というのは流通名でいつ誰が付けた物かはわかりませんが、他にも「王様の木」と言う名称もあり、花の形が王冠に似ているからだと思いますが、いずれも正式な名前ではありません。

数年前からすでに国内に導入されており、一時期市場でもあまり見かけなくなりましたが、近年新しい品種が生まれてカラフルになったことからまた栽培され始めました。
比較的新しい植物であることや、長く栽培している生産者も少ない事から、栽培方法などあまり詳しく紹介されておらず、育てる側のほうが手探り状態ですので、まずは原産地コスタリカ共和国のことから調べ、その気候と実際に育てて感じた性質とを照合して、ある程度信憑性・法則性のある事柄から掲載し始めております。

「コスタリカの気候」
その気温は年間を通じてあまり変化が無く、首都サンホセは標高1200mの高地にあたり、年間20〜22℃前後で非常に安定していますし、南の低地のカリブ海側や太平洋側は年間27〜29℃位の熱帯です。年間雨量は非常に変化が激しく、はっきりとした雨季と乾季に分かれます。雨季は、ほぼ半日は雨となりその後はカラリと晴れるような天気が続き、乾期にはほとんど雨は降らず、日中の日差しが強い上に強い風が吹き、かなり埃っぽい時期といえます。
気温の高い熱帯地方でも日本の夏との大きな違いは昼夜の温度差が大きく、夜間は19℃前後まで下がり、10℃近い温度差があります。

サンホセ 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均気温 (℃) 22.2 22.7 23.2 23.5 22.7 22.0 22.5 22.2 21.7 21.6 22.0 22.2
降水量(mm) 4.8 15.0 17.5 81.8 279.3 274.0 179.2 279.0 352.2 332.0 138.2 32.9

品種紹介 スクタリーナシリーズ
*ここでご紹介する品種名につきましては、輸入業者から頂いた資料から引用したものです。これらの名称を参考にしたり、本文を引用する事について当園は 一切の制約はいたしておりませんが、ご使用にあたっては全て個人の責任においてご使用ください。ついては、育種者や権利者の権利を侵害するような行為や、不利益を与えるような行為はおやめ下さい。また、それによってなんらかのトラブルが発生した場合も当園は一切の責任をお受けいたしませんのでご了承ください。
   

フレーム
   

バーベリー
   

レモン
   


スカーレット
   

フラミンゴ
   

置き場所
日当たりがよいところを好みますが、夏期最高気温が30℃位を超える頃から、やや葉が赤く焼けたり、丸まったり、葉色が薄くなったりと、夏バテの症状が出ることがあります。高温障害が出ると、秋に花が遅れてしまいますので、真夏は風通しの良い明るい日陰に置くなどして、涼しいところで夏を越すようにしてください、それ以外は良く日が当たる場所に置きます。

冬の越冬温度は15〜16℃と言われています。意外ともう少し寒くても冬を越したと言うお話はお聞きしますが、実際に耐寒性の試験は当園ではまだ行っておりません。

*長日条件下でよく生育するので夜になっても電灯や室内灯などで明るくなっている場所の方がより良い事がわかっています。特に春と秋は花が咲く時期ですので、電灯などで昼間の長さを長く取るほうが、より蕾をつけやすくなります。


Point
上記のコスタリカの気候を見ると、なるほどと思いますが、結構暖かくて丁度すごしやすい温度が長く続く時期。つまり自然開花では主に春と秋に一番開花しました。30℃を超える暑さでは開花がストップし生育にも影響がでて開花が遅れますので、暑くなる前と涼しくなってから開花させるのがポイントになります。
春咲かせるには、5月〜6月に株がいい状態になっているように、冬の寒さのダメージを軽くして、早春から生育させて充実した枝を出させておくことが大切です。
秋咲かせるには、6月下旬〜9月上旬までの暑さのダメージを出来るだけ受けないようにすることが大切です。上手く夏越しすればするほど早く開花が見られ、長く楽しむことが出来ます


<夏越し>
建物の東側や北側の明るい日陰に置き、お水は早朝か夕方にたっぷり与え、鉢の温度が高い日中の水やりは、鉢の中でお湯になってしまうので避けましょう。栽培している鉢よりふた周り程大きい素焼きの陶器鉢を用意して、その中に鉢ごと入れて管理すると、直接鉢に日が当たらず、鉢の温度が上がるのを幾分軽くしてくれますし、夕方や早朝、「葉水」を与えるときに、陶器にお水をかけておくと、陶器鉢から水分が蒸散して気化熱を奪っていくので、わずかながら鉢の周りの温度を下げる働きがあります。

<冬越し>

比較的高い温度を好むので、植物用の温室かフレームハウスがあれば良いのですが、無い場合は昼間は日当たりの良い窓辺に置き、夜は室内の真ん中あたりが一番気温が下がりにくいのでそこに移します。寝る前まで「やぐら炬燵」を使用しているご家庭では、電気を切った炬燵の天板の上などは結構ぬくもりが残っていますので、その上に置くとか、冷蔵庫の上などは常時暖かいので置けるスペースがあれば、利用できます。安価で簡単な加温設備としては、ペット用品売り場で小動物用(ウサギ以下)の保温プレートを購入して直接植物に触れないように箱などにセットし、夜間だけ加温すれば外気温0℃くらいでも10℃前後を保ってくれます。
*箱の大きさは5号鉢一鉢が入る大きさを基準にしています。安全のため温度計を設置し、お水などがかからない状態でご使用下さい。

水やり
生育期は土が少し乾き始めて、葉先が垂れ気味になっていたら水が欲しい合図です。
開花期はあまり乾燥しすぎるのを嫌い、蕾や花が付いている株は、水切れを起こして萎れさせてしまうと花が終るのが早くなってしまったり、蕾が落ちてしまったりする事がありますので、花が萎れ始める前にお水を与えてください。

ダニの発生を抑える効果と、夏場周囲の温度を下げる効果がありますので、春〜夏の晴れた日は朝か夕方に時々葉に水をかけてあげて欲しいのですが、梅雨時や長雨の続く時は湿度が高く、お花に雨や水がかかると濡れた所がいつまでも乾かず、病気がでやすくなる事がありますので、そんな時はかけないようにしましょう。

*冬の間の水やりは、温度を保てる場合を除きやや乾燥気味にして、鉢が凍るのを防ぐため天気の良い午前中に済ませましょう。

肥料
一度に沢山施す必要はありませんが、生育中や開花中は肥料切れしないように定期的に施します。緩効性化成肥料を1ケ月に1回置き肥し、開花中は液体肥料を月2〜3回施します。

植え替え・剪定

適期: 5月上旬〜9月上旬 または 15℃以上保てれば通年。

用土は市販の培養土で鉢花やプランター用に配合されている物で十分です。寒さに弱いので地植えは極暖かい地域以外は困難です。

根詰まりした株は鉢土の底を少しだけほぐす程度に落としてひとまわり大き目の鉢に植替えますが、花が咲いている状態の物は根を崩さずそのまま植え替えます。

花が終ったら、花殻だけは早く摘み取り、枝はあまり深く切ってしまわない方が次の花を早く見ることが出来ます。深く切りもどしたい時は、春や秋に完全に花が終った直後に行います。

販売している株は
4)わい化剤が使われている事があるので、翌年はかなり背が高くなる場合があります。

4植物の成長を抑制する働きのある薬品。


病害虫
葉ダニとコナジラミ類が付きやすいので定期的に市販の薬品などで駆除します。
最近はコナジラミ類にも新種が出始め、薬品が効きにくくなっていますが、でん粉をつかった人畜無害の粘着タイプも市販されており、これらは薬品の抵抗性もありませんので安心です。
 
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