ベゴニア「ラブミー」
学名
科名
属名
原産地
開花期


Begonia × ?
シュウカイドウ科
ベゴニア属
園芸種
ハウス内での開花調節により年中

*本内容を引用したり画像を使用する事について。
種苗会社の権利を侵害する事のないよう、ついては、引用・参考するにあたってなんらかの不利益等が発生した場合も当園は一切の責任をお受けいたしませんので全て個人の責任においてご使用ください。又販売目的で写真を使用する場合は、当園の商品を販売する場合に限らせて頂いておりますのでご了承ください。


ベゴニア・ラブミーとは

園芸品種として日本に入ってきてからの歴史は古いのですが、当園では近年になって初めて栽培を始めたため、入ってきた当時の資料も乏しく正直なところ育種のもととなった品種の詳細等を明確に把握する事が出来ませんでした。ネット上には書かれていたりもしますが、当園が資料をもっているわけでないため、気になる方は検索してみてください。

ただ、それではあまりに生産者として情報提供が情けないので、 この品種が出回り始めた頃の事を知る方々に話を聞くと、 このラブミーを含んだ近しい園芸品種が最初に日本で栽培され始めた1970年代後半〜1980年代前半、それらの出荷時期の最盛期がちょうど12月だったため、その品種全般はクリスマスベゴニアとよばれていました。

その中でも「花付き」「花色」「株張り」の綺麗だった当品種を当時先駆け的に栽培していた生産農家が「ベゴニア・ラブミー」と親しみのある可愛らしいネーミングをして売り出し、爆発的ヒットをしたのが全国的に広まり共通の呼び名になったという事らしいです。

当初は種からの生産もあったようですが、現在は挿し木による繁殖で長い年月の間に選抜をくりかえしながら、昔の良さは残しつつより優秀な品種に進化をしてきているようです。

このベゴニアは1日の日の長さが12〜13時間以下になると花を咲かせる短日植物で、そのことからも秋以降に出荷がなされてきたわけですが、生産現場ではこの日の長さを長くしたり、短くしたりして出荷の時期を早めたり遅くしたりして継続的にマーケットに出荷しています。

短日処理、開花調節については、近い仲間のエラチオールベゴニアのページをご覧ください。

置き場所

主に秋から出回るラブミー、まだ日差しが強いうちはカーテン越しか明るい日陰で涼しいところに置いてください。

冬〜春先は、昼間日当たりの良い窓辺で、夜間は窓辺は冷え込むので部屋の中ほどの、暖房の直接当たらない所に置いて下さい。

真冬は出来れば10℃くらいほしいのですが、
窓に厚めカーテンをひいたり保温用に箱をかぶせたりすると、株を弱らせる事は避けられます。

<夏越し>
ラブミーは暑さが苦手なため、夏の間は出来るだけ涼しくて、風通しの良い所に置きます。北側の明るい日陰などでも良いでしょう。成長はほとんどお休みしていますので、暑さを乗り越える事に重点をおきますが、標高の高い処、避暑地、北海道などの涼冷なところ以外は、かなり難易度の高い時期となります。当園では夏の間も成長を促し8月末から出荷を開始するために、夜間ハウスを冷房して栽培しております。

肥料

当園から出荷したものについては、開花期間中に肥料切れを起こさないように、長期間持続的に効き続ける緩効性化成肥料が置いてあります。

花が終わった頃から緩効性化成肥料もしくは液体肥料を与えると良いでしょう。種粕などの有機質肥料はベゴニアには合わないので、粒状の化成肥料タイプの物を使うようお勧めします。新しい花芽が見え始めている株には「鉢花用」等の表記してあるような、花用の肥料を与えるのも大変効果的です。

夏に生育を完全に止めているとみられる株は一旦肥料を与えるのをやめましょう。
水やり

極端に鉢土を乾燥させた場合は株を傷める事もありますが、基本きちんと土の表面が乾いた状態まで乾燥させてから、株にかからないように、鉢底から水がしみだす位たっぷりと与えてください。

当園のラブミーは生育段階から底面給水式で育てており、底面給水鉢で出荷しますので、受け皿の水が無くなったらお皿に給水するだけでいいので、水管理がとても楽です。

その際に、鉢土も乾いているようなら、給水が悪くなっている場合がございます。お皿の方だけでなく、 上から花や葉に水をかけないように、そっと鉢の土も湿らせるようにお水を差しておいてあげてください。

植え替え・せん定

茎を伸ばしながら花を咲かせていきますので、花が咲き終わった株は伸び気味で、バランスが悪くなっています。その時は、植替えやせん定(切り戻し)で株を若返らせもう一度咲かせる事が出来ます。
<時期>
温度が15℃以上25℃以下が保てる頃が適当なので、地域差はありますが真夏を除き春は3月上旬〜4下旬、秋は9月中
旬〜10月上旬までくらいです。
<せん定>


<植え替え>
根詰まりをおこしている株は、一回り大き目の鉢に植え替えます。
1.株元を見て、蒸れや病気などで腐っている茎は、先にそこだけ切り捨てます。(腐っている部分が乾燥していれば、広がらないのでそのままでいいです。)
2.株元に手のひらを差込み、株を傷めないように鉢を傾けて、そっと鉢のほうを引っ張り、ぬきます。
3.根鉢の表面だけ軽く土を落として植え替えます。深植えし過ぎないように古い根鉢の表面に軽くのる程度にしてください。
4.底面給水鉢は給水ひもが付いているので、いったん「ひも」は取り除き植え替える鉢の形状に合わせて、前もって鉢底に通しておくか、通常の水やりの方法に戻すかにします。いずれにしても、植え替えて3回くらいの水やりは、土と根が落ち着く前なので、上からにします。植え替えてすぐには、土の乾き具合も今までと違ってきますから、必ず乾きを確認してから行ってください。
病害虫

病気
<うどんこ病>
春先から初夏にかけて葉に白い粉状の斑点が付きじょじょに広がっていく。
市販の殺菌剤で治療できます。
<灰色カビ病>

葉や茎や花が水浸状に黒く腐りながらひろがり、灰色のカビのような物が表面に付く事からこの名前が付いています。暑い時期の蒸れに注意して、風通しをよくすれば予防できます。
市販の殺菌剤で治療できます。
<斑点細菌病>
葉に水浸状の斑点が出始め、斑点が増えるとかたまって広がっていきます。そばに植物があっても、植物が触れあっていたり、間接的にハサミや手で媒介しないかぎりうつりませんが、病気にかかった株の治療は出来ませんので、早めに捨てるようにしてください。
<立枯れ病>
フザリウム属などの土壌に住んでいるカビの仲間が、根から侵入し、植物の茎の導管部を褐変させます。そのため、水分や養分の流れが阻害されて下葉から上へ黄変し萎れてから、枯死などの症状が現れます。 病気にかかった株の治療は困難ですが、病株だけを根元から取り除いたあと、症状が落ち着く場合もありますし、再び発生する場合もあります。
害虫
<アブラムシ>
暖かくなる時期に多く発生しますので、注意して早めに手で取り除くか、市販の殺虫剤が効果があります。
<ハダニ>
葉の新芽がしわ状になり、通常の葉の形と違う・色が悪くなった・花が萎縮して小さくなったり帯状の模様が入る、このような症状はハダニの可能性が考えられます。肉眼で確認できない小さいダニもいますので、園芸店などで売っている植物用ののダニ剤を使用して駆除します。ダニは水に弱いので、定期的に葉にじょうろか霧吹きなどで葉水をかけてやると、大量に発生するのを予防する効果があります。
 
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