学名 Coffea arabica

和名 アラビアコーヒー

科名 アカネ科

属名 コーヒーノキ属

性状 常緑小高木

原産地 熱帯アフリカ
コーヒーについて
エチオピア原産のアラビカコーヒーノキがコーヒー生産の90%を占めているそうです。コーヒーが今のように実を焙煎して飲み物にされるようになったのは15世紀ころで、西暦1000年頃は、生で食べたり、お酒のような飲み方をされていたようです。現在のコーヒ−の飲み方は数世紀にわたる利用方法の探究の末にたどり着いた画期的な方法だったのです。
コーヒーの発見について調べたところ、こんなお話が見つかりました。
その1
王女を病気から救ったイスラム僧が、彼女に恋をしたとして、王の怒りを買い追放され苦しみさまよっていた彼は、鳥のついばんでいた赤い実をスープにして食べ、元気になることを発見しました。彼はこのスープで多くの病人を治し、王に許されたということです。
その2
コーヒーの原産国エチオピアが舞台。赤い実を食べて興奮している山羊を見つけた山羊飼いが、修道僧に伝えたというもの。修道僧が食べてみたところ、気分がすっきりすることに気づきました。この修道院はその後『眠らない修道院』と呼ばれたそうです。

栽培方法について
当園ではコーヒーノキは栽培していないのですが、事務所の装飾用にしてあったコーヒーノキが大きくなったため温室のほうへ持って行き、数年間面倒を見てきました。主に熱帯性の植物を管理している温室に入れたため夏は約30℃、冬でも18℃を保っており、コーヒーノキにとっては好都合だったようで数年前から実を付けるようになりました。
といっても、極たま〜に肥料や植え替えをしていただけで、特に良く観察をして育ててきたわけでもないため、「花図鑑」の方でご紹介するほど栽培管理に関しては詳しくないのでご了承ください。ただ、温室以外で育てて実を収穫するには、開花してから結実し実が赤く熟するまでには結構な期間が必要なので、実が充実する時期に秋にはいったら温度が下がるのをなんとかする必要があるように思います

性質(資料によるもの)
コーヒーノキは、約2〜3年でジャスミンのようなほのかな香りのする、クチナシに似た白い花をつけるようになります。花は春先に一斉に開き、花は2〜3日でしぼんでしまいます。 受粉数ヶ月で実がつき始め最初は緑だった実が熟して真っ赤になります。 見た目がサクランボに似ている事から、コーヒーチェリーとか、コーヒーベリーと呼ばれています。
*日陰を好み、冷涼な気候と、雨が多いこと、そして、ある程度の寒暖の差なども必要。
*霜にとても弱く、熱帯地方で年間平均気温が18度〜25度で、年間降雨量が1500〜2000mm程度
* 開花期には乾燥を防ぎ、成長期にはたっぷりと、収穫期には乾燥するといった雨季と乾季の変化が必要です。

収穫した赤い実




*この実に入っている薄緑色の種子がコーヒーの生豆、「グリーンコーヒー」です。

*果実は「サクランボに勝るとも劣らないほど甘い。」と言うのを以前読んだ事がありましたので、恐る恐る噛んでみましたら、舌で探ってかすかに甘く感じる程度でしたが、これは果実の出来が悪いからなのでしょうか!?・・・


*種子は固い外皮とジェル状の果肉から成り立っていて、その果肉の下には象牙色の固い内果皮(パーチメント)があります。

*その中に銀皮(シルバースキン)に包まれた種子が普通二つ向かい合って入っていて、そのためコーヒー豆は平らな面と、丸みを帯びた面を持つことになり「フラットベリー」と呼ばれています。枝の先端の方には片側の種が育たず1つだけ入った丸い豆が出来る場合があり「ピ−ベリー」と呼ばれ、全体の10%にも満たない事から希少価値が言われた事もあったそうですが、今は生産性からフラットベリーがほとんどとなっています。

*種子の真ん中にある溝は「センターカット」と呼ばれています。

*乾燥させる前に取り出した豆は大きいのですが、十分に乾燥させるとかなり小さくなってしまいます。現地の農場でも1週間ほど天日乾しにしてたり、発酵させた果実を水洗いして取り出しているそうですので、あながち間違いではなかったようです。


   
実を天日乾しにして約1ヶ月たちました。冬なので長めにしましたが、これが良いか悪いかは味で判断するよりしかたないですね。一応干して1週間の物も用意してあります。

    
外側の果肉とパーチメントを取り除いて豆を取り出しました。果肉とパーチメントはかなりネバつきますし、乾燥するとなかなかシルバースキン(銀皮)が剥けません。
これを取らないと焦げて苦味がでるそうですが、なかなか根気のいる作業でした。


シルバースキンがなかなか取れないので、経験は無い世代なのですが、昔はこんな風にしてお米をついていたと言う話を思い出し、ためしについてみました。       
      画期的な効果はありませんでした・・・

      

いよいよ焙煎です。
世間には家庭で出来る小型焙煎機も売っているようですが、家に「炭」と「七輪」があったので、今回は100円ショップへ行き、ステンレスの裏ごし器を購入してこれで代用してみようかなと思います。
これで一応炭焼きコーヒーと言えるのかな。?

炭焼き焙煎(いろいろ調べて初めてでも出来そうなやり方にしました)
*5分ほど豆を暖めます。
冷えた豆を急激に加熱すると豆の表面のみ焼けてしまいますので、遠火の弱火で振りながら5分ほど豆を暖めます。 5分間は豆を触ってもやけどしない程度の温度で止めます。急速加熱は禁物。

*不良豆を取り除く。
他の豆の色に比べて、白っぽいもの、逆に黒っぽいもの、割れているものなどを取り除きます。その時に豆が冷めないように注意してください。熱くて取り除けなかった豆は、焙煎終了後に冷やしてから取り除く。

*ひたすら振り続けます。(20〜30分ほど)
火力を見ながら焦げないように、七輪からの距離を調節してゆっくりと振りつづけます。豆の平らな面が片焼けしやすいので豆が回転するように振ります。急速焙煎を避けてあくまでもじっくりと焙煎します。

*銀皮(シルバースキン)を取り除きます。
煎り初めから20分程度焙煎が進むと、プクッと豆が膨らんでひと回り大きくなり、豆の皮がむけてきます。 七輪から外してフッ!と息で皮を飛ばします。 皮を燃やすと煙がでますので七輪に入らないように飛ばしてください。皮が無くなるまで何度もくりかえします。

*焙煎終了のタイミングを色で計ります。
20〜30分ほど焙煎すると、若干ですが豆の表面に脂が浮き出し光沢がでてきます。焙煎終了のタイミングは判断が難しいので、今回はいつも飲んでいるコーヒー豆の色を想像して終了します。七輪での焙煎は遠近赤外線による効果が大きいので、 浅煎りでも苦味がでにくいそうなので、 若干薄い色でやめる方が無難です。

*豆を冷やします。
余熱で焙煎が進みますので豆がかさならないようにして冷やします。 冷やしてから最後にもう一度不良豆を取り除いて完成です。理想的には2〜3日保存して豆内部のガスが抜けてから、飲む直前に挽いて飲むのがよいそうです。

炭焼き焙煎(1回目の感想)
焦がしてしまうのが心配で炭を弱めにおこしたのですが、出来れば七輪の真上に手をかざした時に数秒で熱いと感じるくらいは火力を上げた方がかえってムラ無くロースト出来るかも知れません。
弱火だったので、なかなか狐色にならず結局40分位かかってしまいました。結果ついつい長く手を止めてしまいがちになり、かえって焦げが出来たりムラが出たりしました、絶えず動かし続けても火が通る位が適当ではないかと。
ローストしている時に出てくる香りはコーヒーをいれた時に香るそれとは違い、まさに豆(大豆)を炒っているような生豆っぽい香りが立ち上っていました。最後までこの香りのままだったので、そんな物なのかどうか心配になりましたが、終って豆が冷えていくと徐々にコーヒー豆の香りが出始め少し安心。
豆の色づきを覗き込みながらローストしていましたが、気が付くとメガネのレンズに白いもやのような油膜が出来ていました。それだけ豆から油分が出るということでしょうか。
これを密閉して2・3日ガス抜きをしてから飲みます。

試飲(1回目の感想)
豆の量は15g。なんとか小さめのデミタスカップに2杯分取れました。
挽く前の豆の香りは良かったのですが、挽いていれてみると、なんとなくコーヒーではない香りに?
おや?っと思いながらも、このいい感じの色にほのかな期待をしつつ、豆剥きを協力してもらった妻と、いざ試飲!ガーン・・ 酸味はあるのですが、コクと苦味が無いという厳しい結果に。
生豆っぽい味がすることから、やはりムラが出て炒りきれていなかったのが失敗の原因ではないかと思います。


炭焼き焙煎(2回目)
前回の失敗を参考に、炭の量と火力を多めにしました。炭はおこし始めは安くて細かい割れた炭から始め、徐々に火力が上がったら紀州の「備長炭」を少し加えました。火力を維持できればどんな炭でも良いと思いますが、硬い備長炭はやはり長持ちします。火のおき始めの弱い火力を利用してまずは豆の水分をとばし、火力が上がってきたら豆を振る手を休めずに振り続けました。
今回はシルバースキンを丁寧に取り除いてあったため、途中豆を冷やすことなく火にかけ続ける事ができましたので、出来るだけ不良の豆や薄皮は最初にしっかり取り除いておいたほうがいいみたいです。強火・弱火は炭からの距離での調節と、七輪の下についている空気を取り込む小窓を開け閉めして調節しました。
煎り始めて15分位から徐々に色がつき始め、色むら・焦げ付きも少なく成功の予感が!?
  
20〜30分位から豆がふくらみ始めパチパチとはじける音が。
その間にも豆は狐色から深みのあるこげ茶色に変わり、前回との決定的な違いはどの豆の表面にもまるで「天津甘栗」のように脂がにじみ出て光沢が出てきた事です。
2度目のパチパチを聞いた後大体いつも見慣れている豆の煎り加減になったので、火からおろしました。
まだ飲んでもいないうちから勝手に成功の余韻にひたっておりましたが、その後2日間家の1階から2階まで生豆を煎った豆臭さと焦げ臭さが抜けなかったので部屋に匂いが付くのが嫌な方は外でする事をお勧めいたします。
出来上がった豆が冷えてくると、先ほどの豆臭さから一転して前回よりもかなり強く芳醇な珈琲の香りが立ちはじめたので、部屋が臭くなったおとがめはなんとか免れました・・・。

2日間ガス抜きをして、さてお味のほうは・・・
ミルで挽いて匂いをかぐと!!うっ焦げ臭い!
深煎りしすぎたか? おそるおそるドリップしてテイスティングするとやはり苦味が出過ぎましたね。でも前回よりもコーヒーらしい深みは出ました。苦味を和らげるために砂糖とフレッシュを注ぐと・・!いけてます。問題は深煎りしすぎたために、苦味が強く出てしまったに過ぎないようです。他の味はちゃんと出ていました。
次回はいつになるかわかりませんが、2回にわたってチャレンジした自家焙煎は、
「結論」
自家製コーヒーの味は、火力の調節と煎り加減でほぼ決定するという事がわかりました。焙煎って結構深いんですね。

直接このページに入った方は、ここからホームへお戻りください